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2025年6月1日鑑賞
印象派の作家の中からルノワールとセザンヌに焦点を当てた展示です。

印象派展に出品していた作家の中でも著名な2人を対比させるような構成です。
フランス、オランジュリー美術館・オルセー美術館からの出品です。

まずは静物。

ルノワールは…
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ピエール=オーギュスト・ルノワール「花瓶の花」1898年
薄めた絵具を重ねてふんわりした表現。

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ピエール=オーギュスト・ルノワール「桃」1881年
ふんわりした表現で、桃の質感がよく伝わると思います。
一言で言って「うまそう」

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ポール・セザンヌ「青い花瓶」1889-1890年
セザンヌという人は、モチーフの形に興味があり質感は二の次です。
画面の中で形を規定するような線が目につきます。
テーブル上の果物(キャプションではリンゴと書かれていますが言われなければなんだか分からないかも)はルノワールのようなシズル感はありません。

次は風景画。

ルノワールは初期においては典型的な筆触分割を使っています。
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ピエール=オーギュスト・ルノワール「イギリス種の梨の木」1873年頃
明暗の表現がこれまたふんわりしていて空気感を感じます。

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ピエール=オーギュスト・ルノワール「セーヌ川のはしけ」1869年頃
これはごく初期の作品ですが、モネと言われても「そうかな~」と思ってしまうほど典型的な筆触分割です。

対してセザンヌはというと…
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ポール・セザンヌ「赤い岩」1895-1900年
そもそもモチーフを幾何学的にアレンジしてしまうセザンヌですが、この作品は異様です。
画面右上側に屈曲した直線で赤い岩が配置されていて「なんだ!これは!」と思いました。


そして、さらに決定的に異なる個性が際立つ人物。

ルノワール得意の裸婦。
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ピエール=オーギュスト・ルノワール「風景の中の裸婦」1883年
・風景の中にいるという構成
・白絵具を下地に敷く描き方
といった古典絵画的な要素がある作品です。

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ピエール=オーギュスト・ルノワール「赤い髪の浴女」1895年
上の作品からさらに肌表現に特化しつつある作品です。
明るい部分に(多分)白絵具を敷いておいて、油で薄くといた絵具を丹念に重ねて肌の透明感を出しています。
背景はぼやけてもはや仄めかすのみ。

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ピエール=オーギュスト・ルノワール「ガブリエルとジャン」1895-1896年
息子の相手をするお手伝いさんを描いた作品。
非常に親密な様子がよく表されています。

セザンヌは…
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ポール・セザンヌ「セザンヌ夫人の肖像」1885-1895年
やはりセザンヌは形への興味が第一で、質感やモデルへの親密さは皆無と感じました。
変わった人ですよねw

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ポール・セザンヌ「3人の浴女」1874-1875年
風景の中の3人の裸婦と、画題自体は古典的なものですが…
筆致などは全く古典的ではありません。
年代としては初期で、形を規定する線に黒が使われています。
この後、線は濃い青(プルシャンブルー?)に置き換わっていき、画面の印象がやや軽やかになっていきますね。
筆致は基本ずっと同じだと思います。

見終わって、2人の画家の作風展開、個性の違いがよく見えて予想以上に面白かったです。
わりとオススメ。

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ルノワールへの招待
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もっと知りたいセザンヌ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
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