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2024年3月14日鑑賞


タイトルだけ聞いても、どんな作品かイメージしにくいなぁ…とは思っていましたが、監督がリュック・ベッソンだと分かって、ネット上の予告編動画をみたら(こりゃ、面白いかも)と思ったので急遽映画館へと向かったのでした。





シアターに入って、結局私と同時に見ていたのは10人いたか?という状況で、お世辞にも大人気作ということではなさそうでした。


しかーし、見終わっての感想は「なかなかやるじゃない、ベッソン❗️イイぞ」



冒頭シーンから遡って語られる倒叙的なストーリー進行。

主人公ダグラスの聞き手役になる黒人女性の精神科医も子供をかかえたシングルマザーで、心に傷を持っている。

傷ついたことのある同志、理解というか共感めいた感情が発生しているのでしょうか。


時系列を遡って…

・子供時代、家族に恵まれない主人公(DV父親が鬼畜)

・DV父に犬小屋にぶち込まれた故に犬と意思疎通できるようになる


酷い環境から逃れることと引き換えのように脚が不自由になるが、そこからのダグラスは演劇にやり甲斐を見出すが…


・演劇の世界に誘ってくれた女優に恋をするが実らない→挫折


・ドラッグクイーンの世界、舞台で認められる

歌唱シーンはマジ感動的


・犬のシェルターの職員だったが、そこが突然閉鎖され…ダグラスは犬たち共に隠れ家に


・犬達を使って「富の再分配」や、ギャングを懲らしめたり


・クライマックスではギャングと銃撃戦があり、それがあっての冒頭シーン


・留置所に入るが「とある方法で」外へ出て教会の前で…

(「あなたのために」という「あなた」は神なのか⁈)


ちょっと要素が多過ぎな気もしますが、私は楽しめました。

ストーリー進行中に何度も良い事と悪い事が交互に起こるあたりは「人生山あり谷あり」といったところでしょうか。
そんな主人公をキッチリ演じきったケイレブ・ランドリー・ジョーンズがいいですね。凄みすら感じます。


酷い状況に陥っても、例えば「ジョーカー」が悪に染まるのに対して、本作の主人公は(概ね)善の側から外れることはありません。


また(どうやって撮影したのだろう?)と思わせる犬たちの活躍は現実感がなく、ベッソン流のファンタジーでしょう。

”DOG”の文字をさかさまにすると”GOD”
ラストシーンの宗教的不可思議さもベッソン流かな?

グランブルーでジャックが海の中に「帰っていく」ラストを思い出しました。

深イイ映画作品です。

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