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2023年5月25日に見てきた展示です。
もう会期終わっていますが、結構面白かったので記事にします。

この時、新潟県出身の日本画家二人の特集展示が開催されていました。
橋本龍美(はしもとりゅうみ)と横山操のお二人です。
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まずは企画展示室で「橋本龍美展」

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こういう魔物・化け物系のモチーフを多く描いたそうです。
(基本撮影OKを示す表示)

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「哀(A)」1962年
初期の作風はこういう感じ。
涅槃図かピエタを想起する宗教的な画面です。

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「祭鉾」1965年
日本の土着的な祭礼を天狗や鬼(?)のようなモチーフで現わしているようですね。

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「お化地蔵」1966年
数体を並列した地蔵の画面も何点か制作されています。
地蔵と言いながら、狐のような顔をしている異形の像です。
周りに配された木の葉などの自然物にも目が行きますね。

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「祭り人」1966年
「人」とは言っていますが、大体魔物か化け物です。
家紋のような和風のモチーフもあり幾何学的な形で平面的に配置されています。
上段中央の鬼(?)は入口にいたヤツですね。

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「見世物」1966年
上部中央にいるのはメデューサみたいですね。
タイトル通り「見世物」小屋を覗いているような画面。
昔、作り物の人魚のミイラとかをお金とって見せていた興業があったと聞きますが、そういったイメージでしょうか。
ヒエロニムス・ボスの地獄図的な感じもします。

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上の作品の右下クローズアップ。
人面獣みたいなのもいますが、個人的に気になったのはまん丸の目玉のヘビ。

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「唱合」1968年
並列された地蔵の系統でしょうか。
幾何学化が強く、色もほぼモノトーン。
それにしても地蔵も単眼だったり、化け物化しています。

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素描の展示もありました。
植物、虫を描いた素描は自然に描かれていますね。

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「化寺」1971年
どこにお寺があるの?と思っちゃいますが…
随所に目玉が配され、何者かよく分からない生物が集まっている画面。
黒・白に加えて赤が目につきます。

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「森のこだま」1971年
様々な色が使われ出した印象。
モチーフも抽象度が高く、カンディンスキーやクレー的。
やはり各所に目玉が描かれ、そこで生物っぽさが出ています。

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「化くらべ」1974年
中央にキツネらしきものが鎮座し、文字通り化け技術の競争でもしているかのようです。
この辺で炎っぽいモチーフが現れていますね。

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「百本足寺」1972年
かなりカラフルです。
ご本尊は…仏様のアウトラインはありますが、顔はなんだかわからない動物です。
周囲には魚、カエルなどがいて、はためくのぼりと炎の形態が呼応しているようです。

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「祭之詩(蛇娘)」1977年
中央のご本尊的な人物(?)は口からヘビが出ています。
また何体か化け物系が配されています。

右側に、いますね。
歌っている人。
弦楽器を持って、20世紀のバンドメンバーみたいにも見えますね。
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「風の唄」1981年
並列地蔵系の作品ですね。
5体中、4体は本当に地蔵顔で1体だけキツネ。

以前コレクション展で見た覚えがあります。

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「宮山之四季」1992年
平成時代に入ってからの屏風作品。
だいぶ化け物感は薄くなり、普通に見られる自然や動物が目につきます。
穏やかな表現になってきましたね。


展示終盤でカエルの作品がいくつか。
実際のカエルを観察した素描があり…
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「沼来迎」1978年
仏様が曼荼羅的に並んでいる図をカエルが演じています。

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「来迎」1978年
こちらは動きのある構図。
うやうやしく奥から進み出るカエルたちw

一通り展示を見て…
よく存じ上げていませんでしたが、非常にユニークな作家さんだと感じました。
私自身はこういったある種シュールな化け物系の発想はないので、見ていて楽しめました。
動物の表現がいいですね。

次にコレクション展示室で横山操展が見られましたが、それは次の記事で。