2023年4月18日
映画「生きる LIVING」を見てきました。
監督はオリバー・ハーマナスという方。
1952年公開の黒澤明作品「生きる」のリメイクで、舞台を同じく1950年代のイギリスに置き換えています。
黒澤版はだいぶ前にTV放映されてたものを見たことがあるのですが、志村喬の鬼気迫る演技(というか顔芸)で「い~のち~みじ~かし~、こいせよおとめ~」と歌っていたのが強く印象に残っていました。
ある日、がんで余命6か月と宣告された主人公が、最初ハメを外そうともしますが…そこはお堅い公務員なのでどうもしっくりこない。
いろいろあって、亡くなる直前に誰も面倒くさくてやりたがらなかった仕事を成し遂げていく。
そんな流れは、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本による本作でも忠実に踏襲されていました。
お堅い英国紳士で役所の市民課長ウィリアムズが主人公ですので非常に淡々とした調子でお話は進んでいきます。
最近のガチャガチャしたペースの映画になれた人には退屈に感じられるかもしれませんね。
私自身は、先日前立腺がんが判明して、一時はPSA値があまりに高いため「5年生存率は何割?」という感覚でしたが幸い奇跡的に状態が良いとのことで…この映画よりは余命はだいぶ長そうです。
それでも「がん」というのは人生のタイムリミットを強く意識させるものだなぁ…と感じます。
私もどうなるか分かりません。
何かの拍子に「新たに転移が見つかりました、厳しい状態です」なんてことにならないとも限りませんからね。
老後は絵を描いて…なんて思っていたけど、時計の針をちょっと早めてみようかと思いました。
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