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2022年5月13日公開、5月18日鑑賞

庵野秀明とその盟友である樋口真嗣が組んで制作した2016年のシン・ゴジラに続く日本特撮史上のエポックメーキング作のリメイク…と言っていいのかな?

シン・ゴジラが面白かった人は、それなりに期待していたことでしょう。
私もその一人。

ウルトラマンとは、元は1966年から39話で放送されたシリーズもの(私1966年生まれで再放送で何話か見た程度)
それを一本の映画にどうまとめるか?というのが最初の興味でした。
それに関しては結果、上手くいっているのではないかと感じました。



全体の構成は…序盤(なぜか)日本に連続して現れる怪獣(劇中「禍威獣」)と科特隊(劇中「禍特対」)の戦いのさ中、謎の銀色の巨人「ウルトラマン」が飛来するところから。

禍特対という架空の組織は最小限の人数規模にして、それ以外は実在の組織(政府機関とか自衛隊)が禍威獣に対する実働部隊とすることで、シン・ゴジラに通じる空気感を出しています。
テンポ速めのセリフ回しもゴジラ的。

中盤はウルトラマンの存在を世界各国との関係でどう扱うのか?で揺れる日本政府に外星人が絡んできて政治的な要素が強くなっていきます。

早々に誰がウルトラマンに変身するのかが世の中に公表されてしまうのも意外性がありますが、それ故の緊張感がもたらされます。

振り回されっぱなしの日本政府は何か風刺のようでもありますね。

終盤は「光の国」からの使者「ゾーフィ」がベータシステムを手に入れた地球は宇宙から抹殺すべき存在と判定し、その抹殺ツールがあの「ゼットン」というわけです。

「ゼットン」は元作の怪獣というイメージではなく、巨大兵器システムとして表現され、ビジュアル的にはエヴァンゲリオンに出てきそうですし…兵器としての機能はイデオンに出てくるガンドロワみたいな感じです。
終盤の雰囲気はかなりSF臭が強くなっていました。

ウルトラマンへの変身に使うベータカプセルから、巨大化させるベータシステムという設定が出てきて人間が使えるようになるというのも面白い。

このように劇中、要素が多めで表現の雰囲気がどんどん変わっていくのが本作の特徴ですが、これは肯定的に評価したいと思います。

ビジュアル面ではCGで巨大なウルトラマンや禍威獣を表現していますが…いずれも円谷特撮の質感を残しているように感じました。

ただ…引きでテカるウルトラマンは…なんいうかペプシマンっぽい感じがしてましたねw

本作中、最も印象に残るキャラ・役者はやはり…メフィラス星人を演じた山本耕史でしょうね。
なぜか日本の文化になじみ過ぎて…名刺は用意するわ、居酒屋でウルトラマンと会話するわ…映画史上これほど最も人間側に寄せた宇宙人描写でしょう。
「私の好きな言葉です」「私の苦手な言葉です」は思わずマネしたくなるフレーズw

次に印象に残ったのは、ベータシステムで巨大化された長澤まさみ。
もちろん巨大フジ隊員のオマージュですが、なんとなくエロさが漂うんですよね(狙っているのでしょうけど)

物理学者を演じた有岡大貴は中盤まで一人盛り上がりがちで結構「ウザイ」印象でしたが、終盤の危機を回避する方法を見つけて男を上げ、ああ…良かったねと思いました。

もちろん、ウルトラマンに変身する神永役の斎藤工も宇宙人感が適度に出ていて良かったですし、班長を演じる西島秀俊もうまい。
役者さんは全体的に映画の雰囲気にマッチしていたと感じました。

音楽の方はオリジナルのウルトラマンのものから上手く引用できていて、画面の円谷特撮感と相まって良かったです。

最後に流れる米津玄師の「M八七」は…作品世界をちゃんと表現している等と評価もされていますが、私個人的にはいきなり現代の曲が出てきた感がありまして…これも一種のタイアップなのでしょうけど、もう少し元作の音楽と絡めてもイイノニナ~とは思いました(悪くはないけどね)

全体的には元のTV版を見ていなくてもかなり楽しめると思います。
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