長岡市にある新潟県立近代美術館。
4月4日に久保田成子展を見た後、美術館の所蔵品で構成されたこちらも見てきました。
コンセプチュアルな久保田成子展を見た後、「普通の」絵画を見ると・・・なんというかホッとしますねw
近代美術の「大光コレクション」を所蔵しているため、コレクション展も厚みがあります。
(それだけじゃありませんが)
現在、近代美術館では企画展である久保田成子展は1,000円、コレクション展は430円と料金別建てになっています。
多くの場合は合算して両方見られるのですが…なんで別にしたのでしょう?
しかし、430円でこれだけ見られるというのはコスパ的には十分満足です。
まずは「近代美術館の名品」
今回初見で面白いと思ったのは…
「風乃唄」橋本龍美 1981年
思いっきり反射で写り込んでますが(汗)…緑青っぽい色で描かれたお地蔵さん(?)と思いきや左端はキツネ!?
しかも魚を食い散らかしている!?
あと、イマドキの流行といってよいのか?
写実系の作品。
写実画専門で知られるホキ美術館にも作品が所蔵されている作者の絵
「霧と残雪」原雅幸 1985年
画像はだいぶ反射入ってますが…ちょうど4月上旬の山間部でなじみのある光景ですね。
あと、山間部の住人にとって馴染みのありそうな作品。
孤高の(?)峰を描いた…
「一峯」小野末 1970年
独特の物質感のある絵肌が興味深いですね。
大光コレクションの一枚。
私も高校生の頃から見てきた作品。
岸田劉生の作品でも重要なもののひとつ・
「冬枯れの道路(原宿附近写生)」岸田劉生 1916年
バルビゾン派を明るく平明にしたような作風のデュプレ。
「羊飼い」ジュリアン・デュプレ 1883年頃
部分拡大…羊の毛、羊飼いのボロボロなマントの質感。
ナイフも使って絵の具を盛っていて、クールベ的?!
二番目の展示のテーマは「名画 世界一周」
世界各国をモチーフにした様々な作品が並びます。
旅の起点は、伝統的には日本橋でしょ!
というわけで、日本橋にある(あった?)こんな塔の作品から。
「日本橋の赤レンガ」赤穴宏 1985年
昔の景色かと思いきや、1985年の作品なんですね。
言われてみれば左側には日本橋の上にかかる首都高の高架がありますね。
技法で驚いた作品。
アフリカのケニアをテーマにした作品。
「夜空ーマサイマラ」吉田志麻 1997年
反射が激しいので画像が斜めからになっていますが…(・´з`・)
なんと木版画です!
よく見ると中央には木目の柄が見えますけど、版木はどうなっているのでしょうか?
画面の作りが独特で面白いと思ったのが…
イタリアのアッシジをテーマにしたテンペラでの作品。
「聖者の街 '89(アッシジ)」鈴木力 1989年
構図が面白いと思った作品
フランスが舞台です。
「小さなひろば(ch-ミッシェル)」丸山正三 1977年
最後は日本に戻ってくるということで富士山で終わる、という構成でした。
最後、三番目の展示テーマは「水彩画」
日本における多彩な水彩画作品が見られました。
古くは明治初期に来日して日本の様子を描いたチャールズ・ワーグマン
「新潟の家」チャールズ・ワーグマン 1870年
この方、新潟に来ていたんですね。
19世紀らしくアカデミックな描き方の画面です。
初期、日本洋画で忘れてはならないのが、浅井忠。
水彩の名品も多い画家です。
「岩礁のある海」浅井忠 制作年不明
さらに安井曾太郎の若い頃の作品とか、石井柏亭、古賀春江といった有名画家の作品もありましたが…
自由に突き抜けた感のある画面で目立っていたのが…
「舞踏する男女」野間仁根 1965年
図鑑的というか、細密描写の際立った作品を描いた三好悌吉が何枚か。
抽象画家難波田龍起の子、史男の作品も。
この方、若干32歳でフェリーから落ちて亡くなってしまうんですね(・´з`・)
「少年と海の神話」難波田史男 1967年
父の龍起と同様、抽象表現ですが…ちょっと物語性があるというか、ある時はパウル・クレー、またある時はカンディンスキーっぽいというかという作風です。
コレクション展もなかなかでしたよ。
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最近水彩画を多く見ています。
絵の具は安物ではなくちゃんと発色・耐光性のあるものを使いましょう。
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