ローランド・エメリッヒの監督作です。
史上有名なミッドウェイ海戦をテーマにした作品です。
予告編の映像↓
映画、最初の場面は1937年…米国駐在武官であった山本五十六と情報将校(?)レイトンが話しているところから。
山本は「日本を追い詰めるな」と言い、将来の開戦を想起させます。
次の場面では「4年後、戦争は始まった」と、あっさり開戦、真珠湾攻撃のシーンへ( ゚д゚ )
真珠湾奇襲は結構尺を取っていましたが、そこからはかなり駆け足。
散々にやられた米海軍を立て直すべく新たに着任したのがニミッツ提督。
司令官レベルでは山本五十六 vs ニミッツの対決という図式です。
米側が日本の基地を攻撃してみたり、有名なドゥーリトルによる東京初空襲があったりしますが、珊瑚海海戦では空母レキシントンが撃沈されていよいよ米側の艦艇戦力は日本に比べて劣勢になってしまうわけです。
そんな米側ヤバイ!という状況下で、日本軍の次なる目標はどこだ?というところで情報戦に入ります。
日本は日本で、陸海軍の足並みが揃わず揉めたりしながらも、ミッドウェイ攻略に目標を定めます。
しかし、米側の情報部門は変人リーダーに率いられた暗号解読チームで日本の動きをつかむのでした。
そこからは米側の幸運もあり、日本空母4隻喪失…という展開まで一気に描かれます。
日米が公平に描かれているのが画期的などというレビューもありますが、感覚的に米:日=7:3くらいでしょうか。
監督のエメリッヒがドイツ人ということで、日米どちらかに極端に肩入れするようなことはなかったのでしょう。
それでも日本側の事情もかなり正確に表現されているように感じました。
山本五十六大将の下で南雲忠一中将と山口多聞少将の仲が悪いとか、陸軍と海軍が犬猿の仲とか。
日本海軍の三提督は日本でも一流の俳優さんをキャスティングしていて、人選には適切なアドバイスがあったのだろうと思います。
その他のキャストはアメリカ、カナダに移住して活躍する日本人俳優、日系人俳優が当てられています。
”日本語が不自然で見るにたえない”というレビューは言い過ぎな気がします(全般に聞き取りづらい話し方はどうかと思いましたが、もしかしてリアリティ表現?)
展開は尺に対して要素が多いのでしょう…特に前半は駆け足感が強いです。
戦史の予備知識がないと、追いつけない方も出てくるのではないかとも思います。
逆にある程度知っていると、”あの出来事はこんな表現できたか!”的に楽しめますね。
過去の戦争を題材とした映画で問題になるのが 、当時の兵器をどうやって表現するかという部分ですが…さすが21世紀の映画なのでほとんどCGで正確にできてます。
昔は日本軍機で動くものなんてなかったので、米国の練習機テキサンを改造した零戦、通称テキサンゼロとか出てきて…エライ不格好だなぁ…とガッカリしたもんですが。
今は何機でもCGで作れちゃいますからねw
で、登場する航空機ですが…SBDドーントレスと零戦で8割くらい。
SBDは主人公(群像劇ですが一番露出しているという意味で)のベスト大尉が操縦する機体なので当然最も登場機会が多いです。
ベストは空母エンタープライズの艦上爆撃機隊の隊長になるパイロットで、大胆な(というか無謀な)操縦をするのでした。
対空砲火が炸裂する中、急降下していって投弾する場面が何回かありますが、なかなかの迫力!
実際、日本空母に大打撃を与えた殊勲の機体。
エメリッヒ監督作と聞いて、日本軍やっつけたぜ!ウエーイ!なんて場面出てこないかヒヤヒヤしてましたが、結構淡々としてそこまで能天気ではなかったのでホッとしました。
ただし、日本の零戦に対してSBDちょっと強すぎないか?…とは思いますね(なんつったって、劇中零戦を結構撃墜してますから)
ダグラスSBDドーントレス↓
零式艦上戦闘機↓
日本で一番有名な戦闘機。上のSBDに対する敵役的な扱い。
SBDは主人公(群像劇ですが一番露出しているという意味で)のベスト大尉が操縦する機体なので当然最も登場機会が多いです。
ベストは空母エンタープライズの艦上爆撃機隊の隊長になるパイロットで、大胆な(というか無謀な)操縦をするのでした。
対空砲火が炸裂する中、急降下していって投弾する場面が何回かありますが、なかなかの迫力!
実際、日本空母に大打撃を与えた殊勲の機体。
エメリッヒ監督作と聞いて、日本軍やっつけたぜ!ウエーイ!なんて場面出てこないかヒヤヒヤしてましたが、結構淡々としてそこまで能天気ではなかったのでホッとしました。
ただし、日本の零戦に対してSBDちょっと強すぎないか?…とは思いますね(なんつったって、劇中零戦を結構撃墜してますから)
ダグラスSBDドーントレス↓
零式艦上戦闘機↓
日本で一番有名な戦闘機。上のSBDに対する敵役的な扱い。
アメリカの戦闘機はこの頃はF4Fワイルドキャットのはずですが…全く見かけませんでした。
印象的なのはドゥーリトル率いるB-25爆撃機↓
陸軍航空隊の双発爆撃機を海軍の空母ホーネットに搭載して日本近海から東京を爆撃したヤツです。
機体がでかいので、発艦は出来ても着艦できず、爆撃後は中国まで飛んで行ったのでした(その経緯も描かれています)
陸軍航空隊の双発爆撃機を海軍の空母ホーネットに搭載して日本近海から東京を爆撃したヤツです。
機体がでかいので、発艦は出来ても着艦できず、爆撃後は中国まで飛んで行ったのでした(その経緯も描かれています)
一瞬、B-26みたいな双発爆撃機が出ました↓
明らかに紡錘形のシルエットで胴体幅が均一なB-25とは明らかに区別できるのですが…太平洋戦線には投入されなかったと思うんだけど?…と調べてみたらなんと!B-26の初陣はミッドウェイの頃だったようで、こりゃよくリサーチしてますな( ゚д゚ )
明らかに紡錘形のシルエットで胴体幅が均一なB-25とは明らかに区別できるのですが…太平洋戦線には投入されなかったと思うんだけど?…と調べてみたらなんと!B-26の初陣はミッドウェイの頃だったようで、こりゃよくリサーチしてますな( ゚д゚ )
概ね好意的な感想なのですが…以下、これは??と思ったこと。
・主人公(?)のベスト大尉は最初はムチャばかりだが、訓練中の部下の事故から人格的にも成長していく…と、事実をベースにしているかもだが映画的にありがちな話。
・CGは良くできているが、爆発で吹き飛ぶ機体など動きが滑らか過ぎてリアルさがスポイルされている部分がある。
・國村隼演じる南雲中将があまりにもパッとしない(演出だろうけど)
・日本側キャストは三提督とそれ以外の役者さんにやはりギャップがある。
戦史に興味のある方は一度見てみたらいいかな…という作品。
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