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2020年7月14日リリース。
また新潟からすごいアルバムが生まれました。

前作3rdアルバム「柳都芸妓」が2017年なので約3年ぶりです。

「柳都芸妓」は南波一海氏主宰のPENGUIN DISCレーベルからの発売でしたが、おそらくレーベル加入以前の体制で制作されたと思われます。

PENGUIN DISC加入後は2018年5月リリースの「青空シグナル」を皮切りにシングル曲として数曲が積み重ねるように発表されていました。
今回、それらのシングル曲に新曲を加えて全12曲構成のアルバムが出来ました。

それまでの3枚のアルバムは地元・新潟が軸になっておりまして…

1st「RYUTist HOME LIVE」=本拠地古町の”新潟SHOW!CASE!!”でのライブを追体験

2nd「日本海夕日ライン」=夏の日本海の海岸を楽しむイメージ

3rd「柳都芸妓」=芸能の伝統が色濃い新潟市古町を舞台にした様々なストーリー

…とアイデンティティは地元にある!というコンセプトでメンバー4人にはその役割(新潟を表現すること)を演じさせてきた側面が強いと思うのです。

4枚目の今作はコロナウイルスの影響がなければ5月にリリース予定だったこともあるのでしょう、季節的には「春」という「はじまりの季節」が強調されています。

アルバムリリース前にシングルが次々リリースされましたが…

「青空シグナル」 2018年5月


「黄昏のダイアリー」 2018年11月


「センシティブサイン」 2019年4月


「きっと、はじまりの季節」 2019年10月

かなり方向性が揃っているなぁ…というか揃い過ぎではないか?とさえ思ったものです。
が、まさにこれがアルバムのコンセプトだったわけですね。

各シングルのカップリング曲がかなりバラエティに富んでいるので、聴けば幅も拡げていたのは分かりました。

しかし本アルバムに収録されたカップリング曲は「無重力ファンタジア」だけ。
既発曲と既発曲の間はことごとく新曲がつなぐという贅沢な作り方です。

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さて…アルバムを最初から聴き始めると…

1曲目のGIRLSから攻めた曲で驚きました。
佐野元春のVISITORSの一曲目 "COMPLICATION SHAKEDOWN" を初めて聴いたときの衝撃に似ているかな?

この曲はいきなりボーカルが始まる2曲目 「ALIVE」 のイントロになっています。

2曲目 「ALIVE」のMV

↑ 約7分もあるイマドキ珍しい長尺です。
「桜並木」というワードに朝起きたばかりというシチュエーションからアルバムの「はじまり」を告げるにふさわしい内容です。

蓮沼執太フィルによるオケはとてもアイドル曲らしくない管楽器・弦楽器を駆使した涼しげな音です( ゚д゚ )

曲そのものも色々な要素を含みつつ複雑な展開で7分の尺全てを使いつくしています。スゴイ!


3曲目は「きっと、はじまりの季節」KIRINJIのギタリスト、弓木英梨乃さんによる既発シングル曲。

この曲も爽やかな風を感じさせるタイトル通り「はじまり」の景色を描写しています。


4曲目「ナイスポーズ」は柴田聡子さんによる超絶難しそうな曲。

アルバムに先行して配信でリリースされていましたが、私…一度聞いただけではメロディの流れが把握できませんでした(・´з`・)

歌っている内容はティーンエイジャーの友達以上恋人未満的な…甘酸っぱい展開。
まさに青春にフォーカスしています。

そういえば、新潟ローカルTV局の深夜番組「想い出喫茶ヒッソリー」に柴田聡子さんが出てましたね。


メンバーと柴田聡子さんの座談会記事



5曲目の「好きだよ・・・」はこれまた甘酸っぱい青春の曲ですが…音的には初期のRYUTistを手掛けていた作詞 NOBE、 作・編曲 KOJI oba 両氏によるものです。

ここで、過去のRYUTistとのつながりを持たせていますね。


6曲目は若手のシンリズムさんによる「センシティブサイン」

若者の抱く漠然とした将来への不安と希望が歌われています。


7曲目には前の曲に対してもっとポジティブな響きの「絶対に絶対に絶対にGO!」

”やりたいこと全部” ”迷わず進もう!” ”いつも今がスペシャル” と、アイドル曲らしいフレーズが並びます。

アゲアゲの曲調は北川勝利さんの得意技なのでしょう。


8曲目に一連のシングルで最初にリリースされた「青空シグナル」

もえ立つような冒頭から風を感じる疾走感はやはり青春です!

作詞・作編曲はバンドTWEEDEESの清浦夏実さん・沖井礼二さんコンビ。


次の9曲目は新曲「時間だよ」

えらく大人びた曲調だと思ったら…バークリー卒のKan Sanoさん作でした。
この方も「想い出喫茶ヒッソリー」に出てましたね(´∀`)

メンバーとKan Sanoさんの座談会記事。



続いて大人っぽい路線で10曲目「無重力ファンタジア」

インドネシアで日本のシティポップに影響を受けたikkubaruによる作品。

カップリング曲から唯一のアルバム入りしたわけですが、個人的にファンタジックな響きが大変気に入っております。

この曲が入ってホントに良かったし、アルバム中で良い意味での特異点になっていると思います。



11曲目「春にゆびきり」はパソコン音楽クラブによるこれまたオシャレな作品。
アルバムリリース直前に配信で公開されました。

↑MVの映像はコロナウイルスの影響で実現しなかったライブの会場であった”りゅーとぴあ”周辺で撮影されています。
なんかグッときます(・´з`・)


最後12曲目は一日の締めくくりでしょうか…シングル曲の「黄昏のダイアリー」
作編曲はなんと北川勝利さん・沖井礼二さんの共作です。

アップテンポで

”大人になりきれない”
”子供じゃいられない”

というフレーズが個人的に印象に残ります。


このように全体を通して青春が表現されていますが、これはRYUTist自身、あるいは同世代の人達にフォーカスすることで、地元の表現から脱皮できたということなのでしょう。

嫌な情報があふれる現代に希望を感じてほしいですね…若者の皆さんにね。
私みたいなオジサンも元気になれるかな(笑)

また声の面では、4人のメンバーのコーラス・ハーモニーが武器であるのは間違いなく、もはや独自のポジションを築いていると思います。

作家陣についてはPENGUIN DISCに加入したことで南波一海氏というかタワレコのコネクションゆえの拡がりがあったと推察します。

RYUTistのディレクターである安部博明さんは3rdアルバムまでこだわりぬいたコンセプトアルバムを作り上げたけど、地元だけでなくもっと拡がりを求めたいと思った時にどうしたか?

面識のあった南波氏に話を持っていき…それがPENGUIN DISCというレーベル設立につながったようです(下記リンクの記事参照ください)


この安部さんのクレバーさが前作までに上がってしまったハードルをさらに乗り越えるアルバムの実現したのだと思います。
すごくいいアルバムです。

最後にCDのジャケデザインですが…初めて見た時(もしかして仮デザイン?)と思ったりもしましたが、このプレーンさはメンバーそのものが素材なのだ!という表現なのだと気付いた次第。

<収録曲>

01.GIRLS
作編曲:蓮沼執太

02.ALIVE
作詞:蓮沼執太/作編曲:蓮沼執太

03.きっと、はじまりの季節
作詞・作曲:弓木英梨乃/編曲:sugarbeans

04.ナイスポーズ
作詞:柴田聡子/作編曲:柴田聡子

05.好きだよ・・・
作詞:NOBE/作編曲:KOJI oba

06.センシティブサイン
作詞:シンリズム/作編曲:シンリズム

07.絶対に絶対に絶対にGO!
作詞:藤村鼓乃美・北川勝利/作編曲:北川勝利

08.青空シグナル
作詞:清浦夏実/作編曲:沖井礼二

09.時間だよ
作詞:Kan Sano/作編曲:Kan Sano

10.無重力ファンタジア
作詞:清浦夏実/作編曲:ikkubaru

11.春にゆびきり
作詞:パソコン音楽クラブ/作編曲:パソコン音楽クラブ

12.黄昏のダイアリー
作詞:清浦夏実/作編曲:北川勝利・沖井礼二

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RYUTist、4thアルバム
CD ファルセット
 

シングルのカップリング曲にも注目!

”Never let meback” "愛のナンバー"収録
【CDシングル】 きっと、はじまりの季節


”素敵にあこがれて” ”バ・バ・バカンス!”収録
【CDシングル】 センシティブサイン


”心配性” ”a birthday song”収録
【CDシングル】 黄昏のダイアリー


”無重力ファンタジア”収録
【CDシングル】 青空シグナル


【CD】 柳都芸妓(芸能の伝統色濃い新潟を表現する3rdアルバム)



RYUTO RECORDS時代のアルバム作品
【CD】 日本海夕日ライン<通常盤>(夏の日本海を表現した2ndアルバム、驚愕の完成度で話題に)


【CD】 RYUTist HOME LIVE(毎週古町で開催されるホームライブをコンセプトとした1stアルバム、ライブ最後に必ず歌われるラリリレル等収録)


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※℃-want you!作の「Majimeに恋して」はこのアルバムの文脈にははまらなかったのでしょうか。あるいはレーベルが違うからかアルバムに収録されませんでしたね。

7インチは売り切れの様ですので…各配信サイトへのリンク


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