F-35の配備遅れで現在も航空自衛隊で使用されているF-4の写真集です。
出版元がモデルアート社で「モデラ―のための究極写真集」とあり、高精細な写真多数でこのベテラン戦闘機の様々な表情が見られます。
私自身はずいぶん長い期間模型とはご無沙汰していますが、こうした本を眺めるのは今でも大好きです。
F-4ってなに?!…という方はこちらWikipediaの記事でもご覧ください。
あと、航空自衛隊の主要装備機体のページも
上記リンクを読んでいただければわかると思ますが…設計は1950年代で元々艦載機として開発されましたが、性能はイイわ機体がでかくて余裕があるわで結局5000機以上も作られたって戦闘機です。
ベトナム戦争に新鋭機として投入され、日本では1971年から導入開始。
自衛隊では現在まで40年以上にわたって運用されているのです。
40年以上も経っているので、現在運用されているのは”F-4EJ改”と呼ばれる大幅なアップデート版とのこと。
資料によると、レーダーや火器管制装置をF-16相当のものに換装してネット上では「魔改造」と言われ、熟練パイロットが操るとF-15をも撃墜判定取ってしまった…という逸話が出てきます。
さて、中身ですが…
実機画像は301飛行隊、302飛行隊、501飛行隊を取材したもので、各セクションごとにこんな扉が…
301飛行隊…現在百里基地を拠点としています。
最初にF-4を装備した部隊だそうです。
カエルのマーク。
この辺の画像を見て、レドームがやけにテカテカして周囲の景色が映り込んでいたりするのが新鮮でした。
定期的にレドームは交換されているんでしょうね。
新品では光沢あって、次第に光沢がなくなっていくという説明文もありました。
302飛行隊…現在三沢基地が拠点。
北海道、千歳基地で編成されたことから、北海道のオジロワシをマークとしたそうです。
今年、F-35への機種更新したそうですが、悲しいことに墜落事故がありましたね。
501飛行隊…百里基地を拠点として偵察飛行が任務。
偵察型のRF-4E、RF-4EJを運用。
ウッドペッカーのマーク。
301SQ、389号機。
垂直尾翼にカエルマークが見えます。
長年の使用による塗装のリタッチ、汚れがある種の凄みを醸し出しています。
302SQ、435号機。
この機体も塗装のムラがベテランの貫禄を出しています。
垂直尾翼が特に黒ずんで見えるのは、戦技競技会用の塗装の名残りとのキャプション。
501SQ、RF-4E 905号機。
戦術迷彩という、いかにも迷彩らしい塗装です。
多数のカメラ窓のある機首の形がよくわかります。
この本で個人的に一番驚いたのが、夕日に照らされた画像です。
色味がなくなるのと引き換えに、機体表面の質感が浮き出てきます。
こうした光の当たり方では、迷彩塗装の色の境目は塗料の目が粗くなるため黒っぽく見えます( ゚д゚ )
他に塗装図や、「舐めるように」撮った各部ディティールの画像も掲載。
ディティール画像に至っては、あまりに詳細なので、実際に模型を作る方はどこまで再現するかという葛藤に陥っちゃうんじゃ…などと余計な心配をしそうです。
最新のステルス機みたいに非常にクリーンな機体表面とは全く異なる「エフヨン」の表情はもしかしたら昭和的価値観へのノスタルジーなのかもしれません。
ですが、そうした技術遺産としての資料価値は非常に高い一冊ではないかと思います。
**********************************
amazonへのリンクです
今回ご紹介した本
各種F-4ファントムⅡ関係
コメント