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山口つばさ著

ネット上で話題になっていたので、電子版で4巻まで一気に読みました。

主人公は高校2年生(第一話時点)の矢口八虎(やぐちやとら)
ちょっと不良っぽい見た目だけど、勉強も友達付き合いもそつなくこなす一見リア充な男。

ある日、3年生の美術部員の描いた100号の大きな油彩画を見て美術に目覚める。
そして、美術系大学では学費が安いという理由で東京藝術大学を目指す…という流れ。

序盤は高校の美術部顧問の先生から絵画の初歩を学びはじめるところが中心になっています。
巻が進むと、大学受験のための現実的なテクニックが次々と描写され…受験経験者にとっては「あるある!」の連続でしょう。

私も(大昔ですが)美術系受験、研究所(美術系の予備校)夏季講習の経験がありますので、懐かしさを覚えました。

事情をご存じない人たちにとっては、よくわからない感性や才能が全てであるかのように思われているかもしれないのですが…実は美術にも明確な方法論がある。

さらに、方法論は手段でしかない…表現すべきものは何なのか?
美術に限らず普遍的な問題にまで踏み込んでいるように思います。

こういったステップを主人公は結構…熱くたどっていきます。
この辺、ちょっとスポ根入っているかもですw

作中、作例の絵は実際に描かれたものが使われているようで、その点でも画期的かも。

既刊の4巻では東京藝大の一次試験まででしたが、次巻では二次試験とクライマックス?
続きが気になるコミックです。


さて、美大受験系コミックではもうひとつ「かくかくしかじか」も欠かせませんね。
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漫画家の東村アキコさんが九州の田舎で、スパルタ美術教室に通い金沢の美大に合格し…漫画家になっていく過程と美術教室の恩師との交流を描いた(多分)実話をベースにした物語です。

こちらは田舎から美術系を目指すことの困難さを余すところなく描いたという点で唯一無二の内容です。


どちらも美術系を目指す若者、目指したことのある大人に激しくオススメ!
美術ってなんだか特別な才能の世界じゃないの?という方にも読んでいただきたいですね。

ちなみに「ブルーピリオド」というタイトルはピカソの若い頃、青主体の色彩で描いていた「青の時代」から取っているようですね。

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ebook Japanへのリンク
ブルーピリオド 1巻


ブルーピリオド 2巻


ブルーピリオド 3巻


ブルーピリオド 4巻





【完結済み】かくかくしかじか 1巻