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2018年10月4日、国立新美術館で開催中のピエール・ボナール展を見にいってきました。


印象派以降、一気に表現が多様化してキュビスムや抽象といった作品が出てきた時代に、独自の境地を極めるかのように色彩豊かな絵画を描き続けたのがボナールですね。

初期においてはくすんだ色が多く、後半生の作品は明るい色が目につくようになりますが、筆のタッチは一貫してボワボワした不思議な見え方になっています。
私個人的にはやろうとしても出来ないというか…理解しがたい部分です。
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今回の回顧展はパリのオルセー美術館から大量の作品が貸し出され代表作も多く、以前から楽しみにしていました。

展示はまずジャポニスムどっぷりだった初期作から始まり、大評判になったリトグラフのポスター、当時普及し始めたフィルムカメラで撮った写真、鮮やかな色彩で描かれた人物や風景、大画面の装飾画、絶筆とされる花咲くアーモンドの木まで、多数の作品で創作の全体像が見られます。


初期の”もろ”ジャポニスムな作品「庭の女性たち」1890-1891年

四曲一隻の画面…まるで屏風絵です。
カンバスにわざわざ紙を張り付けて描いた絵肌も岩絵の具のような質感で、これは印刷物ではなくて実物を見ないと分からないでしょう。
緑青のような緑が印象的でした。
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なぜかジャポニスムのセクションに展示されていた「白い猫」1894年
平面的な画面からジャポニスムなんでしょうけど、異様に縦に引き伸ばされた猫のフォルムが目をひきます。
女性受けしそうな作品(?)
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ジャポニスムというよりナビ派的な特徴がでた「ランプの下」
家庭の親密さが表現されています。

限られた光源による画面という点では、かつて蝋燭の光の効果を追求したジョルジョ・ド・ラトゥールらの流れを19世紀的に焼き直したような気もします。
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大ヒットしたポスター「フランス=シャンパーニュ」1891年
柔らかな描線で楽天的な画面になっています。
女性の腕のラインなど日本美術の影響かもしれません。
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この時代、コダックがフィルムカメラを開発して専門技師でなくても写真撮影が可能になったそうで、ボナールや彼の友人が撮影した写真が展示されていました。

ボナール自身
「ル・グラン=ランスの庭で煙草を吸うピエール・ボナール」1906年
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妻マルトのヌード
「陽光を浴びて立つマルト」1900-01年
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人物像で僕が傑出していると感じた作品
裸婦を下に寄せ、画面上半分はボナールに珍しく空間の奥行を表現しています。
「浴盤にしゃがむ裸婦」1918年
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この人は女性は一生懸命描きますが、男性は影が薄いという例。
「桟敷席」1908年
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後期には黄色と白が非常に目につく作品が現れます。
テーブル上の食器類の影がそれぞれ異なった色で表現されています。
人物も食器も画面上では同じ重さで表現される装飾性の高い作品。
「ル・カネの食堂」1932年
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最後の部屋に展示されていた装飾的な大画面…本当にデカイです。
手前の人物は原寸大ではないかと思うほど。
黄色~橙色~茶色の流れがイイですね。
「ボート遊び」1907年
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恐らくボナールの画集に必ず収録されているであろう絶筆
死の直前に甥の手で画面左下に黄色を加えたというのは有名な話。
「花咲くアーモンドの木」1946-47年
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挿絵のドローイングもありました。
そういえば20世紀初期は飛行機が発明され急速に発達した時代、絵画でもモチーフとして登場するわけですね。

「入院したユビュおやじ」の挿絵 1917年刊
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毎度、どんなものがあるかお楽しみな物販です。
どこでも一つや二つはあるTシャツ、日本かぶれと言われるほどだったので扇や手ぬぐいも。
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ユビュおやじの焼き印がされたイイ感じの風呂桶…ですが、7000円( ゚д゚ )
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