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9月24日までとのことで、9月16日に見てきました。

彫刻主体だと絵画のような色彩が少ないためどうしても地味な印象になりがちかもしれません。
恐らく知らぬ者のいないであろう芸術家ミケランジェロの真作彫刻が二点来日という何気にスゴイ展示でした。

タイトルに「理想の身体」とあるように、ミケランジェロの生きたルネッサンス期とその手本となった古代ギリシャ・ローマ期での理想化された身体表現を対比しつつ見ていく展示内容です。


この古代ギリシャ・ローマ期の作例が多数(しかもコンディションがいい!)展示されていたのがスゴイな!と思いました。

しかも…彫刻はもちろん、フレスコ画、陶器まで様々なものが揃っていました!

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「ヘラクレス」BC4世紀後半
ローマ期の摸刻ではなくて、古代ギリシャオリジナルです!

アルカイック期のような直立左右対称から片足過重でやや動きが出てくるクラシック期の作品ですかね。
腰と肩が傾斜したポーズを「コントラポスト」と称するようですが…それを手本としたルネッサンス期の作品も「コントラポスト」だらけになっていて少し可笑しかったです。
(ミケランジェロ初期作である洗礼者ヨハネもコントラポストです)

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「アッティカ赤像式キュクリクス、ヘラクレスとヒュドラ」BC510~500年/オルトス
アルカイック期の正面性が強い陶器画ですが、物語性が表現された作品です。

直接的にルネッサンス美術でみられるわけではないようですが、前期ルネッサンス絵画の構図に影響していると思います。

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「子供たちを解放するテセウス」「ヘラクレスとテレフォス」69~79年

驚いたのは、ベスビオ山噴火で埋没したポンペイやその近隣地区のフレスコ画がいくつも展示されていたことです。
顔料の種類は限定されていたようですが、描写が達者でルネッサンスの作品と比べても全く遜色ないと思います。

思っていた以上にルネッサンスというのは直接的に古代から影響を受けている…というかパクったとすら思えます。

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「裸体の男性」1572年/ジャンボローニャ
これなんて、美大受験でおなじみベルベデーレのトルソそのものに頭部を補完した作品です(´∀`)


さて、展示の半分を過ぎると、今回の目玉(!)ミケランジェロの真作です!
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「ダヴィデ=アポロ」1530年頃/ミケランジェロ

未完で残されたため(完成前に教皇から別の仕事をしろと呼びつけられたそうな)ダヴィデかアポロか分からないという作品なのでこのようなタイトルになっています。

ミケランジェロが50歳を超えたころの作品で、ポーズには優雅さすら漂います。
仕上げが完全ではないので、かえって19世紀以降の近代的な作品のようにも見えますね。


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「若き洗礼者ヨハネ」1495-96年/ミケランジェロ

「ダヴィデ=アポロ」とは反対に最初期の作品です。
…なんですが、1936-39年のスペイン内戦でバラバラに破壊されて半分以上が失われてしまったそうで。
幸い20世紀の出来事だったため写真が残されていて、それらを元にしつこく復元したものが今回来日したとのこと。
復元出来て公開されたのが2013年ということで、どんだけしつこく修復したんだヨ!

下画像の緑部分が修復で補填された(!)
(しかもマグネットで取り外し可能って!プラモかよ!)
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この作品も「コントラポスト」的なポージングですね。

実は上の二作品、元々は同じ人物の所有だったものが、メディチ家のゴタゴタから散逸してしまい、今回約500年ぶりに日本で再開した!ということでした( ꒪Д꒪)



でもって…唯一撮影可能だったのが…
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「ラオコーン」1584年頃/ヴィンチェンツォ・デ・ロッシ
1506年に「発見」された古代のラオコーン像のほぼ原寸大摸刻です。

恐らく、この像の動きのある形がルネッサンス美術に影響したのでしょう。
ミケランジェロも発掘当時から現場に立ち会って現物を見ていたとのことで、その後描いたシスティーナ礼拝堂のフレスコ画には影響がみられると思いますがどうでしょうか。

その後、マニエリスム〜バロックと美術作品は動的で感情を出す構図・表現に移行していきます。


展示会場から出てくると、恒例の(?)物販ですw

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ミケランジェロというとやや「堅い」印象があるのでしょうか…「ミケにゃん」なるキャラが設定されていました(´∀`)

残念ながら巡回展はないようです。

展覧会公式サイト(いつまで残っているかわかりません)


ルネッサンス巨匠のわかりやすい入門書