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戦車関係の専門誌「PANZER」の臨時増刊、第二次世界大戦でも怪しい恰好の車両を特集しています。
ハーフトラック(半装軌車両)ですが、前輪がオートバイ型と言うのは他に類がないと思われます。
本当は(?)ケッテンクラフトラート(=履帯駆動のオートバイ…くらいの意味)らしいですが、短く「ケッテンクラート」と呼ばれることが多かったそうです。

一般には映画「プライベートライアン」の終盤、敵のタイガー戦車をおびき寄せるための囮として使われるシーンが有名でしょうか(アメリカ兵がドイツ側の車両を鹵獲して使っています)
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結構軽快な走りが印象的でしたね。

こんな前輪でハンドルなんて効くのかよ?!と思われる方もいるでしょうが、安心してくださいハンドルを15°以上切ると左右のキャタピラが差動して旋回するそうです。
さらに、使い勝手が良かったのか戦争が終わっても民間でしばらく使われたものが相当あったようです。

この手のムックはほとんど主力戦車を取り上げることが多いようですが、こういう装甲もない小さい車両はホントに珍しい。

車両そのものの解説ページはもちろんありますが、半分以上は日本国内でレストアした記録が占めています。
その記録記事がそのまま構造の詳細解説にもなっているというわけです。
割とシンプルな構造で分かりやすいです。
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↑試運転している写真です。

ヨーロッパではこうした歴史的な車両の部品を再現生産する業者もあるそうで、読んでいくといくつも部品を海外で作ってもらっています。
なんというか…歴史的な機械を大事に楽しもうとする姿勢があるのだろうと思います。

なお本書は2011年に出版されたものの再販らしいです。
興味のある方は書店で見かけたら即ゲット!(定価は税込み2500円)
amazonではすでにプレミアついています。