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国立新美術館で開催の「ジャコメッティ展」を見てきました。

一般的には細長いプロポーションの彫刻で知られていますが、その変遷が通して見られる展示になっていました。

初期、スイスの山の中からパリに出てきた時にキュビスムが盛り上がっていたため、そのような作品を作っています。
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これなんか、まるでキュビスム!ブラックの絵画作品を立体化するとこうなる?


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こちらは「女=スプーン」という作品で、ある意味その後の作品より解りやすいのではないかと思いました。


第二次大戦中はスイスに疎開していたそうですが、そこで「見えたとおりに」やろうとすればするほど像が小さくなって、とうとう数センチの小さな作品ばかりになってしまったそうです。
見れば見るほど常人の(表面的な)理解を超えた状態になっていくのは、絵画でのセザンヌと同じような境地なのでしょうか。
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↑これはまだ大きくし始めたころの作品ですが、一番小さい時代は像の本体が1~2㎝でそんな作品も展示されていました。

これじゃいかん!と思ったか知りませんが、像を大きくしようと取り組んだら、今度は細長くなってしまったそうです。
像の存在とその空間がそうさせていたらしいのですが、非常にストイックです。
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空間の表現ということでこのような群像も作っています。
地面からヒト型の草が生えているようにも見えますが、像の配置はこうでないといけないのでしょうね。


面白いのは動物も細長いフォルムになってしまうんですね。
これは犬↓
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そして猫(↓)…解説によるとジャコメッティはいつも猫を抱いて正面顔しか見ていなかったので頭部だけボリュームがあって後は針金のような像になったそうで…なるほど主観的に見たとおりに作るとこうなるのだなと妙に納得した次第。
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他に大量の素描と一部油彩画もありましたが、やはり彫刻家だなぁ…と思わせる立体的な形をゴリゴリとなぞるかのような表現でした。
レストランかカフェのナプキンにボールペンで描いた素描もありました。
面白いのはモデルを前に描かれたものでは、線が頭部に集中して体や四肢は線がまばらになっている作品が多かったです。


最後に近いところで唯一作品を直接撮影可能だったコーナーがありました。
チェースマンハッタン銀行から依頼の大型の作品群です。
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「大きな頭部」

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「大きな女性立像Ⅱ」

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「歩く男Ⅰ」

「大きな頭部」は明らかに実際の人間より大きいのですが、全身像の身長については実際の人間に近くなっています。

こうして見ていて…とんでもなくストイックな作品作りで、私は非常に疲れました(笑)
アトリエもモンパルナスのボロ屋とスイスの実家を行ったり来たりしただけで、芸術作品制作以外の余計なことは一切しなかった人なのです。


さて、あまりにストイックな展示を見てぐったりした後は、やや脱力系の物販が待っています(´∀`)
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「ジャコメッティー(茶)」
明らかにダジャレです。もの自体は日本の茶葉を使った紅茶だそうです。

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「ジャコリントウ」
「ジャコメッティ」+「かりんとう」というネーミング。
言われてみれば、彫刻作品の表面感がかりんとうによく似ていますよね。

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「山田錦 大吟醸 ジャ米ティ」
本質に迫るため、余分なものをそぎ落としていくところが吟醸酒と共通している?

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アパレルは割とシンプルなデザインでした。
普段着に使えるかも。

著作権の関係でしょうか、素描と絵画作品の画像はネット上でもあまり見られませんので、図録を買うのも良いかもです(自分は買いませんでしたが)