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新型コロナウイルスの影響で東京の美術館は軒並み休館中。
しかし…人生に芸術は必要でありまして…地方では開館しているところもあり、今回は南魚沼市の八海山麓にあるトミオカホワイト美術館に行ってきました。
十数年ぶりかもしれません( ゚д゚ )
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富岡惣一郎の個人名が冠され、一人の作家の作品ばかり収蔵した珍しい美術館です。

作品については「富岡惣一郎」で画像検索してみると沢山出てきます。


建物は比較的小さな規模で、展示室は細長い「ウナギの寝床」タイプのひとつのみ。

南魚沼市WEBサイト、トミオカホワイト美術館のページスクショ↓
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開館30周年記念ということで、3/20~7/7の期間での特集展示として富岡惣一郎の初期から晩年の作品をズラリと並べていました。

今回の展示紹介ページ↓


初期の白地の凹部分にエッチングのごとく黒絵の具を刷り込んだ作品を見られたことは面白かったのですが、私自身この方のハイライトは空からの取材から描かれた真冬の川の作品だと思います。

私が幼いころから見ていた真冬の景色の記憶と完全に合致する白と黒の画面は、具象・抽象の区別に意味がないのではと思うほどの表現力があります。
魚沼と同様に雪深い上越高田に生まれた富岡惣一郎も物心ついた時からこうした雪景色を見てきたはずなのです。

この辺に至る白をキーにした二色での表現の技法を紹介しているのも興味深い展示でした。
全ての作品で筆を使った形跡がないのです。
大小のペインティングナイフで絵の具を乗せ、塗り込み、削って画面を作っていたというわけです。

技法の幅は極めて狭いかもしれませんが、それをどこまでも追及すると唯一無二の存在になれる…ということがよく分かりました。

ただその後のモチーフ、花火、水面、雲については…花火こそ独自性が高いのですが、それ以外は西洋でも印象派以来何度も取り上げられてきたもので…なかなか難しいものだなぁと感じました。

晩年の雲の作品はそれまで頑なに2色のみで構成されていたものを3色使ったりしていましたが、それは彼の独自性から離れることになってしまったように思います。

それでも全作品を通じて思うのは、油絵具を使っていても出来上がってくるのは日本画的な画面であるということ。
それ故、アメリカでも評価されたのでしょう。

作品の他にも、使われていた大小のペインティングナイフや画業を示した漫画(一コマ1枚のパネルが10枚ほど)も展示されていました。
漫画は作者のクレジットはありませんでしたが誰が描いたのでしょうね?

物販のコーナーには富岡惣一郎の作品をアルミ板にエッチングで表現したものなど並んでいたのですが、その中に同じ市内のMSG(南魚沼市立総合支援学校)の生徒さんの作品が販売されていました。

この前に見に行った池田記念美術館ではこの学校のアートクラブの作品が展示されていたのですが、このトミオカホワイト美術館では販売用のグッズがあったのです。
私はこの時購入はしなかったのですが…こうした活動はすごく良いと思います。

南魚沼市内には、今回訪れたトミオカホワイト美術館の他に先日訪れた池田記念美術館や道の駅にある今泉記念館アートステーションと「実はイイもの」があります。

これらはいわば地域の財産と言えると思いますが…世間に知られていないように感じます。
分散して所蔵していることもあるのですが、PRが従来型のコミュニケーションにとどまっているのも影響しているように思います。
個々の施設ごとのWEBサイトでの紹介、雪国アート回廊としてのPRがありますが…行政のペース(予算内・勤務時間内)でしかやっていない感じがありありとしていて…これでは浸透しないだろうなぁと思います。

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特に雪国アート回廊では加盟施設をめぐるスタンプラリー的な割引サービスは…そもそも入場料金500円程度で割引と言っても…来場モチベーションに対する基本的なきっかけづくりにはなっていないように思います。
中途半端に安くするんじゃなくて、手かえ品かえ作品・コンテンツの魅力を知ってもらうことが重要なんですよね。
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