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私のものとしては多くの反応があった先々週のツイート。

会田誠さんは1965年、山口晃さんは1969年生まれと自分と同年代の注目作家が選ぶ絵画作品。

会田誠作品は戦争画の流れを調べる過程で知りました。
戦争の要素に女子高生という現代的なモチーフを重ねて独自の世界を表現した作品には驚いたものです。
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山口晃さんについては新潟市立美術館での個展を見たことがありまして、達者な線描を駆使して日本の絵巻的な構図で現代的なモチーフを表現するすごく面白い作品を作る方だという認識。

お二人ともテーマ・モチーフ・テクニックについて独自の考えが確立していて、それをベースに過去の名作についてコメントされています。
制作当時の時代背景等も踏まえて、現代の感覚から本音丸出し(に見える)そのコメントが非常に面白いわけです。


日本編は近代の戦争画から始まって時代をさかのぼるように展開していきます。
面白かったのは明治以降、西洋の油彩画を受容する時代について…黒田清輝への低い評価、浅井忠への好評価は同感です(詳しくは読んでみてください)
あと、尾形光琳は本質的にはデザイナーであって絵描きとしては「ハズレ」もあるが、俵屋宗達はハズレなしというのも面白いです。

他にも人気の伊藤若冲は苦手とか…本音炸裂ですね(´∀`)


西洋編はテーマ・モチーフ・技法によって章が分かれています。
時代的には古代ローマのフレスコ画から20世紀まで、ヨーロッパ絵画とは切り離せないキリスト教の画題に沿った章もあります。

山口晃さんによる当時の技法や考え方を踏まえた解説、たまに作品のある土地での食べ物の話も面白いですね。

作品的には人物描写のところで取り上げたルーベンスの「ムーア人の頭部の4つの習作」が実に自然な描写で現代のものと言われても全く違和感がない…時代を超える存在感があります。

また、マンテーニャとヴェロネーゼの壁画の章では内装も含めた画像が掲載されていて、室内空間を感じられる構成はありそうでなかったか?

非常に興味深かった指摘はピカソの「アヴィニョンの娘たち」の背景がエル・グレコと共通性があるというもの。
言われてみればよく似ています(´∀`)


結果として全体的には日本、西洋ともに美術史の主な傾向をおさえるラインナップになっていると思います。
そういう意味では美術に興味を持ち始めた方にもお勧めできる一冊だと思います。




会田誠関係書籍


山口晃関係書籍