どうも高尚そうで敷居の高そうな西洋絵画ですが、それらを楽しむためお気楽に読める本を見つけました。

「人騒がせな名画たち」木村泰司 著
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著者は私と同年代の美術史家。

「世界のビジネスエリートが身につける教養」として、絵画は読むものと言い続けている方です。

この本は有名作品にまつわる時代・社会背景や人間関係からなぜそのような作品が生まれたかを読み解いています。
各作品のエピソード集といってもよいかも。
27も章があるのでそれぞれ文章量は少なめですが、ポイントを絞って書かれています。

ややもすると何でも高尚な芸術作品として崇めてしまいそうになる日本人ですが、本書で語れるエピソードを読むと、社会的な縛りのある中で欲求・欲望渦巻く作品のなんと多いことか!


「へんな西洋絵画」山田五郎 著
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TV等でちょくちょく見かける山田五郎氏による本。

現代の日本人の感覚で見たときに「へんな」と感じる作品ばかり集めています。
最初、1章からかわいくない子供の絵がゾロゾロ…(読み進んでいくとかわいく描く必要性がないことが分かるのですが)

他にも情報のない時代に想像で描かれたへんな動物や、意味合いから人物の大きさがへんになっている作品、圧倒的なイメージを作るために人物などをやたらとたくさん描き込むやりすぎ系など…よくも集めたものだと感心します。


どちらの本も、どこから読んでも楽しめるというのが良いです。
時間のない方も好きなところから読んでいくことができます。

美術館などで実際の作品を見る前に読むと、多くの絵が違って見えそうです。


ちなみに画家の山口晃氏による「ヘンな日本美術」は似たような視点で日本美術について描かれた一冊でオススメ。


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