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新潟日報140周年作品。
3月6日に見てきました。

予告編


ご覧の通り、ほとんどのシーンを新潟県内で撮影しています。
新潟市、三条、後半には佐渡も舞台となり、新潟県人にとって見たことある景色が多く出てきます。

「ミッドナイト・バス」公式サイト

2時間半以上とかなり長尺の作品ですが、非常に丁寧にシーンが重ねられていてそれほど冗長な印象はありませんでした。

原田泰造演じる夜行バスの運転手、利一が新潟と東京を行き来しながら、家族と恋人と関わり…一度バラバラになった家族が一瞬集まりますが、その後それぞれ別の方向に歩んでゆきます。

登場人物それぞれが皆違う背景を背負って、主人公以外はかなりお悩みのある様子。
利一だけは、なぜかマイペースというか自然体で皆に「無理すんな」とかいって人間関係の「扇の要」的な役割になっているのかな。

それにしても主人公はちょっと若い恋人がいたり、元妻ともいい雰囲気になったりとモテモテですね。
恋人志穂は小西真奈美、元妻美雪は山本未來が演じていて感情の揺らぎなど感じられて魅力的です。

息子の怜司(れいじ)は最初かなり変なヤツだなぁ…と思わせますが、物語が進むにつれて繊細でいい青年になってきます。

娘の彩菜(あやな)はアイドルビジネス(?)やってるかなりぶっ飛んだ娘として登場しますが、母親に対する複雑な感情から家族に対してはなかなか上手くかみ合わない状態が続きます。
さらに彼氏と婚約しようかどうかというところでちょっとしたエピソードがあり、最後にはサプライズ気味の展開でうまく収まります。

実は私個人的に印象深かった演技は長塚京三演じる主人公の義父でした。
自身に痴ほうの症状が出始めていることを自覚し、それを受け入れている感じがなんともリアリティあってゾクっとしました。

全編穏やかな調子で、あまり声を荒げたりすることもなく(葵わかな演じる娘が母親に向かって強く言うくらい)なんだか新潟県人的だと思いましたね。

エンディングも全てがスカっと解決するようなものではなく、あくまで大人向けの映画だと思います。
人生で何か傷ついたことのある人、つまずいたことのある人は共感できるでしょう。


季節的には冬のお話で、寒々とした新潟の景色が多いのですが、アイドル活動をしている娘彩菜の「マジカルワンダー娘」が彩りになっています。
ローカルアイドルとアニメの変身アイドルが合わさったような感じで、グッズ販売が絶好調という設定です。

唐突なように感じるかもしれませんが、Negicco、Ryutist、NGT48等、新潟県にはアイドル好きな土壌があります。また、漫画やアニメも大好きですね。
万代シティのステージシーンも新潟のある一面を表現しているわけです。
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あと、新潟の要素では劇中で笹団子はじめ新潟の名産が出てきます。
日本酒は吉乃川がやたらと映りますw

前半で「やわ肌ねぎのロースト生ハム添え」なる料理が出てきて、ネギヲタはドキっとするでしょうw
「やわ肌ねぎのロースト生ハム添え」に言及している小西真奈美さんのインタビュー(新潟日報)


最後に、柴犬の「おいで」もいい味だしてます。
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