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星野之宣のレインマンが単行本7巻にして完結しました。

この人の作品は、高橋英樹主演でドラマ化された「宗像教授伝奇考」が一般には有名なのでしょうか。

僕はジャンプの手塚治虫賞受賞の「はるかなる朝」(1975年)を偶然読んで衝撃を受け…それ以降ほぼ全ての作品をフォローしてきました。
※ちなみに当時手塚賞はめったに受賞者が出なかった

その作風は緻密な画風でSF(宇宙から恐竜時代もの等)、古代歴史ミステリーを中心に展開して、昭和のサブカル的少年にはどストライクだったわけです。

とりわけ私的に印象的なのは80年代の2001夜物語中、太陽系内に反物質星が存在しそれを悪魔に見立てカトリックの神父でもある科学者が主人公の「悪魔の星」です。
宗教的な要素まで取り込んでしまう日本人漫画家というのはなかなかいなかったのではないでしょうか。

今回の「レインマン」は並行世界(パラレルワールド)をベースにこの世界は人間の意識が作っているという認識論を展開する内容です。

パラレルワールドという量子論的なSF要素に歴史的なエピソードが重ねられ、はるか昔から人類がこうした現象に左右されていたという話が展開します。
SFとしてはかなりぶっ飛んでいるというかトンデモ的な内容ですが、描画の品格が説得力を担保しています。
ネット上、散見されますがこれは星野之宣の集大成的な内容なのです。
「悪魔の星」で使われた反物質も最終局面で使われます(かなり悲劇的な内容ですが)
(あと宗像教授も途中で出演しますしねw)

最後、やや説明的になってしまうのがやや残念(これで☆マイナス1かな)
正直、ここまでやってしまったら次回作はどうするんだろう…とやや不安を感じるほどの内容なのでした。

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