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新潟市古町拠点の(そして滅多に古町を離れない)アイドルユニットRYUTist(リューティスト)の3rdアルバムです。
「りゅうとげいぎ」と読みます。
芸妓は京都や北陸では「げいこ」と読むそうで、関東では芸者といいます。

新潟も古くから花柳界が存在し芸妓の伝統があったそうで、今回のアルバムはその柳都(=新潟)の芸妓が一本貫くコンセプトになっています。
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初回盤は紙ジャケで開封して開くと内側には芸妓が多く活躍していたであろう時代の古町の古地図が現れます。
ブックレットはメンバーの和服姿中心の構成!

さて、一年前の2ndアルバム「日本海夕日ライン」発売直後に、南波一海氏によってタワレコ内に設立されたレーベルPENGUIN DISCに所属することになり、レーベルでのアルバム第一弾なわけです。
おかげさまで、だいぶ入手しやすくなりました(´∀`)
やはり、流通するか否かというのは大きな問題ですね。

PENGUIN DISCとしても力が入ったのでしょうか?
RYUTist初(?)のちゃんとしたMVがレーベル主宰の南波氏自ら監督となって作られ、Youtbeで公開されています。

収録2曲目の「夢見る花小路」
(1曲目ははっきりした歌詞のないスキャットみたいな内容なので実質1曲目と言えるかもですが)

もう、イントロから(ややっ!?婦人倶楽部感が!?)
…と思ったら、プロデュースは婦人倶楽部の方でした(笑)
最初から古町の地名満載で、ご当地のイメージを掻き立てる一曲です。

そのあと「思い出はプロローグ」「サンディー」とちょっと落ち着いたアイドル歌謡系(?)の曲がわずかに憂いを帯びた古町で展開するストーリーのように続きます。

そして5曲目「古町ブギウギ通り」
バルカン坂爪という方による楽曲ですが、アメリカの古き良き時代と伝統のある古町を重ね合わせています。
RYUTistというグループに対して以前から、年端も行かぬ若いメンバーに結構、背伸びさせるなぁ…と思っていましたが、この曲でもやってます。
だって、「カウントベイシー」「ベニーグッドマン」「グレンミラー」とかうたわせて…メンバーの年齢だったら普通知らんだろ(笑)
で、最後に「ユーアンドミー RYUTist」と、自分たちは新潟の芸能の歴史の上に存在しているよって宣言しちゃてるんですね。

次の「NEO古町小唄」は現代の芸妓さんのことをうたっているようで、でもここでもRYUTistという存在が重ねられているようです。
この曲、チン・トン・シャンとかハラショとか合いの手もいいですね。

7~9曲目の「涙のイエスタデイ」「わたしのこみち」「恋してマーマレード」はまた古町を舞台としたしっとりめの曲が続きます。

10曲目「口笛吹いて」
アルバム最後で、ふと今の古町を振り返るように眺めて…実はうまくいっているわけではない現実が目に入るわけです。
歌詞にはっきり出てこないけど、芸妓さんもどんどん人数が減っていたり、地方商店街の衰退とかあるのでしょうし、個人レベルでの悩み事もね。
それでも「口笛吹いて」希望ある未来を信じてゆっくり遠回りでも生きていこうと言って締めくくる…いや~やるな!

同じ新潟在住アイドルといってもNegiccoはどんどんネギカーにのって県外に出かけていきますが、RYUTistはあくまで地元古町でのライブを中心にして、県外から来てもらうというスタンスを明確にしています(大部分のメンバーが未成年の学生という事情はあると思いますが)。

しかし、今回のアルバムを聴くと数年後でも十分年齢相応の曲を歌えるグループになるに違いないと思えます。
その時にはもっと県外に出て行って全国的な活躍をしてくれるでしょうか。

<収録曲>
1. 柳の都
2. 夢見る花小路
3. 想い出はプロロ
4. サンディー
5. 古町ブギウギ通り
6. NEO 古町小唄
7. 涙のイエスタデイ
8. わたしのこみち
9. 恋してマーマレード
10. 口笛吹いて