1998年秋、横浜ベイスターズが前身である大洋ホエールズ時代から実に38年ぶりに優勝するというときの話。

10月の上旬だったと思うが、いよいよ優勝が決まりそうだという日には横浜●島屋に各社の営業が集合する。
お店の営業は午後7時まで。
7時を過ぎると店内のTVに試合の中継が映し出され、皆で見つめる。
二三日前にセール商品は納品してある。

ベイスターズがリードすると、フロアのマネージャーが「そろそろですかね」と言って、各社の営業が商品ストックに向かう。
…が、そういう時に限って相手チーム(阪神)も粘って点を取り返して「おっと!ちょっと待った!」となる。
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それでも、再度ベイスターズがリードして、最後に浜の大魔神と呼ばれた佐々木投手がマウンドに上がると「よし!もういいでしょう!」と品出しが始まったのであった。


特設のワゴンが並べられて、その晩は横浜に泊まりで翌日は朝から優勝セールの販売応援となる。

さて、セール初日は開店前から入口に大勢の人たちが集まっていた。
その人たちを横目に通用口からゴルフウエアのフロアに入り開店時間を待つ。

全店に緊張した空気が流れていた。
通常は10時開店だったが、確か10分ほど早めに開けたはずだ。
我々がいたのは比較的上層の階だったが、下の方から大勢の人が速足で登ってくる「ドドドドド…」という低い音が響いてきた。
その人の波がフロアに届くと、あっという間に店内は人で埋まりまっすぐ歩くこともできないほどになった。
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ちょっと見たことないようなお客の入り方であって、じきにレジも長蛇の列となりフロアの人の流れがさらに滞ってしまった。
店内の空気はちょっと異様な感じで、フロアマネージャーの顔色がみるみる変わっていったのを覚えている。

こちらといえば、スキーウエアとは違って商品がポロシャツとかニットが多かったので、お客さんが散々かき回してグチャグチャになったものを必死にたたみ直しつつ、お客さんのお相手をするわけだ。

客層は平日であったこともあって、女性が多くレディスのゴルフウエアは飛ぶように売れた。
おかしかったのは、同じおばちゃんが2日も3日も現れてそのたびに何か買っていってくれたことだ。
「せっかくだから、今日も買っていくわ!」
有難いお客さんではある。

結局それから数日横浜●島屋に通い詰めた。
本社から離れて何はともあれよく売れる現場にいくのは結構楽しいものだった。