8月に見に行ったんですが、国立近代美術館で美術館自体をネタにした展示をやっていまして、その中で美術館の収支構造の日米欧での違いが面白かったんです。
IMG_8131

日本は国立の美術館も独立行政法人になって独自の収入を増やしているように見えましたが、まだまだ公的な補助の比率が高い
ヨーロッパは公的な補助も大分入ってはいるけど、独自の収入が日本に比べるととても多い。
アメリカは寄付金の比率が非常に高く、金持ちは公的に寄付することで社会に還元する文化がこんなところに現れている。

それぞれ地域により収支構造は違いますが、入場者が多くても少なくてもそれにより展覧会を運営する費用は変わらない。
変動費がものすごく少なくて、固定費比率が高いと言える状態です。
美術館というのは展覧会の費用を入場料金収入が上回れば、上回った分はすべて粗利益になってくる。
費用を上回れば上回るほど利益率もどんどん高くなるわけですね。


これはスキー場の索道(リフト等)事業も同様です。
たまに「リフトなんて、お客がいてもいなくても同じ電気代かけて回してんでしょ」と言われることがあります。
厳密には負荷によって少し電気代は変わりますが、概ねそれは事実です。
かつて、リフト待ちが多かった時代は利益率も高く、それはそれは儲かったに違いありません。
そして、大きく儲けたお金で新たなリフト(より大量輸送できるもの)に投資できたわけですね。

しかし、今はそれほど儲かるほどの収入になりません。
そんな状況では毎年の収支を合わせるだけで精一杯で、10年、20年単位でやってくるリフト施設の大規模な改修の費用は捻出できなくなるのです。
(例えばワイヤー自体が寿命を迎えるとその架け替えは千万の単位になります)
それを理由にリフトの廃止、あるいはスキー場自体の休業、廃業が起こっています。

もはや、リフトだけでの経済効果だけを見ていてはそうした大規模な費用を出す判断はできないでしょう。
飲食、宿泊、レンタル、スクール、その他地域の観光への寄与、地元雇用への貢献…等まで考慮した判断が必要です。